コーヒー大事典

もっとおいしくなるコーヒーの淹れ方コーヒー器具事情

コーヒーの淹れ方にはちょっとこだわりたい・・・そんな方が増えてきたようです。また、アウトドアブームの影響で、キャンプ場などの野外でコーヒーを楽しむ人も見かけるようになりました。
一方で、コーヒー器具にはさまざまな種類や、それぞれに異なる特性があります。ここでは、ご家庭やアウトドアシーンでもおいしいコーヒーを入れるための、さまざまなコーヒー器具をご紹介します。

水出しコーヒー(ダッチコーヒー)

水出しコーヒーとは、お湯ではなく水で抽出するコーヒーのこと。インドネシアで暮らすオランダ人たちによって考案されたため、「ダッチ(オランダのこと)コーヒー」という別名があります。

水出しコーヒーは、淹れ方も違います。通常、コーヒーはお湯で抽出しますが、文字通り水で抽出するのが特徴。イラストのような器具の、上部のタンク部分に水を入れ、真ん中のカップにコーヒーをセット。1分間に1滴ほどの非常にゆっくりとしたペースで水を落とすことで、時間をかけてコーヒーを抽出します。器具にもよりますが、おおよそ4人分のコーヒーを抽出するのに4時間もの時間がかかります。

この水出しコーヒーは、コーヒー豆に熱を加えずに抽出できることがポイント。加熱しないことで雑味や苦味が抑えられ、コーヒーが本来持つ香りやコクだけを抽出できると言われています。

水出しコーヒーとして楽しむには、少し苦味の強い、深煎りのコーヒー豆が適しています。

コーヒー・トリビア

ダッチコーヒーはオランダで飲まれている?

上の記事で「水出しコーヒー(ダッチコーヒー)はオランダ人によって考案された」と書きましたが、その舞台はオランダではなく、じつはインドネシアです。17世紀、オランダは東インド会社を設立し、アジア全域に進出していました。現在のインドネシアも、当時はオランダ領でした。インドネシアのコーヒーは非常に苦味が強く、オランダ人の口には合わなかったため、オランダ人がその苦味を抑えるために考えたのが、水で抽出する「水出しコーヒー」、別名「ダッチコーヒー」なのです。

名前だけを聞くと、ついオランダ本国で飲まれている方法なのかと誤解しそうですが、実はそうではありません。インドネシアで暮らすオランダ人が考え、工夫した末に生まれた、地域限定の飲み方が「ダッチコーヒー」なのです。