分析・評価部門

おいしさの指標を導き出すために、風味をかぎ分けられる専門の研究員が調査した結果と、
お客様から出てきた好みの傾向を合わせ、分析していきます。
さらに、風味に関わるさまざまな成分を機器分析をはじめとした様々な手法で、
科学的においしさの根拠を明らかにしています。

専門評価員による試作品のテストで、味の指標を明らかに

複数の専門評価員が試作品をテストします

味の指標を明らかにするために、味を構成する風味を細かく割り出し、その強度を数値化していく、専門評価員による試作品のテスト。より正確に味の特徴をつかむために、複数の専門評価員が評価していきますが、それぞれの評価項目に対する感覚を共通化する必要があります。
そのため、専門評価員は味覚を鋭くするトレーニングだけでなく、風味を言語化し、ほかの評価員と共有するためのトレーニングもおこなっています。

お客様の“おいしい”理由をより明確に、的確に評価するためには、特にその味の特徴をとらえ、おいしさに影響を与えていると考えられる風味を抽出し、評価していくことが重要です。そのために、風味を言語化した味を評価する用語は、常に見直しをかけ、調整をおこなっています。

機器分析で、科学的にそして効果的に重要成分を特定

さまざまな機器分析を行います

コーヒーには、約千種類の香りの成分と数百の味成分があります。この中からお客様が“おいしい”と感じるのに重要な風味を作りだしている成分を、さまざまな機器分析により発見していくことができます。
これらおいしさに重要な成分をコントロールすることでお客様がおいしいと感じる製品を作っていくことができるのです。

研究者の声

おいしいコーヒーは「香り成分のバランス」が大切

分析・評価担当

分析・評価部門では、コーヒーの味や香りに関係する成分の研究を行っています。普段、私たちが食品の「味」として感じているのは、味覚と嗅覚の重なった感覚です。コーヒーを飲んだ時に感じる独特の香ばしさや苦味は、嗅覚として感じる香り成分によってもたらされていて、美味しいコーヒーにはこれらの香り成分を抜きに語ることができません。
コーヒーには約1,000種類の多くの成分が含まれており、これらが複雑に重なり合って香りを構成しています。これまでのAGFの研究により、コーヒーの香りを構成している主要な成分やそのバランスを特定することができましたが、未だに解明できていないことも多くあります。
その中で、私はコーヒーの香り成分の研究を担当しています。普通の方法では検出できないほど微量な成分が「味」の構成に重要であったり、同じ成分でも含まれている量の違いにより香りの質が異なったりなど、一筋縄でいかないことが多く、試行錯誤する毎日です。今後、私の研究が、新しい製品の開発につながり、皆様においしいコーヒーを届けられるよう、日々取り組んでおります。