素材開発部門

お客様が“おいしい”と感じる成分の調整に深く関係しているのが素材です。
素材の開発には、新しいものを見つけ出すことはもちろん、今ある素材を組み合わせたり、改良することも非常に重要です。
たとえば、溶けやすい素材や泡がたつ素材、健康素材など、おいしさ以外につながる様々な優れた素材も開発しています。

おいしさにつながる、こだわりの素材開発

素材の特性を検査する、クリーミングパウダー開発の一工程

おいしさを追究した素材、健康機能をもつ素材、新しい機能をもつ素材など、こだわりの素材を開発しています。

たとえば、スティックコーヒー専用のクリーミングパウダーの開発。よりおいしさを追究するためにおいしさの科学で得られた知見を活かした素材開発のひとつです。
長年のコーヒー研究から生まれたコーヒー豆マンノオリゴ糖の開発。健康機能研究を行い、この機能をもとにした特定保健用食品の認可を取得しています。まさに健康機能をもつ素材開発です。
さらに、お客様に新しい価値を提供できるような新しい機能をもつ素材の開発も数多くおこなっています。

こだわりの素材を作りだす、製造プロセス技術開発

粉末素材開発の研究工程

こだわりの素材を作りだすため、製造技術の開発も欠かせません。特に、粉末の物理的性質の改良や素材表面の機能を高める技術の開発を日々おこなっています。

たとえば、スティックコーヒーのような粉末飲料にとって 「溶けやすさ」 は重要な品質の一つです。粉末が水や牛乳に 「さっと」 溶けるとはどういうことなのかを突き詰め、溶けやすくするにはどのような構造や物性の粉末がよいのか見つけ出し、そのような特徴をもった粉末を作るための技術開発をしているのです。

研究者の声

“おいしさ”の鍵となる成分を活かす基盤技術を開発

素材開発担当

AGF®は、これまでさまざまな嗜好飲料の分野で、研究開発や設備投資、生産工程の改善を重ねて、“おいしさ”を製品化する技術を磨いてきました。例えばインスタントコーヒーの製造は、コーヒー豆を焙煎、抽出、濃縮、乾燥して粉末化するという多くのプロセスで成り立っています。このプロセスの条件や組み合わせによって、全く異なる風味を表現できる非常に魅力的な製品です。
素材開発グループでは、AGF®が培ってきたコーヒーの技術的基盤を活用しながら、さらに進化させることで、高品質なお茶素材も開発しています。
コーヒーやお茶の香りは、数百種類~千種類にもおよぶ成分から構成される実に複雑なもので、それらの成分をコントロールして香りを自由自在に作り上げることは簡単ではありません。そこで私たちの役割として「おいしさの鍵となる香り成分を特定し、その成分をコントロールする方法を開発して、工業化の手法を確立する」ことが重要になってきます。
インスタント茶の開発を例にもう少し具体的に言うと、おいしいお茶には「フレッシュで爽やかな青さ」と表現される香りをもっていることが大切だとします。私たちはその特徴をもたらす成分を官能評価や分析から特定し、その成分を茶葉からたくさん回収して、失わないように粉末化する方法を開発するというような流れです。
現在取り組んでいるお茶素材開発の中でも、特に日本発の製法で作られた煎茶は、 “おいしさ”だけでなく、“やすらぎ”や“健康”もお客様に提供できます。日本発のメーカーとして、今までにない高品質な製品で、全世界の多くの方々に喜んでいただければと願っています。

研究者の声

クリーミングパウダーの新しいミルク感を追求して

素材開発担当

素材開発グループでは、クリーミングパウダーをはじめとするスティックコーヒーなど製品に適応できる新しい素材の開発や、コーヒー豆マンノオリゴ糖などの健康素材の研究なども行っています。
私が今一番力を入れて取り組んでいることは、スティックカフェオレに配合されているクリーミングパウダーの開発です。AGF®は、「おいしさの科学」の研究によって、クリーミングパウダー中の「油脂」が、おいしさの重要な成分(キードライバー)であることを解明してきました。この知見を活用し、お客様がよりおいしいと感じていただけるミルク風味の実現を目標に開発に取り組んでいます。
原料の配合内容によっては保存安定性が悪くなるため、何度も何度も配合を検討し、試作品を作り評価をしていきます。
試作品が完成すると、パイロットプラント(実験的な小型設備)で数十kg規模の試作を行い、大量生産する際の問題点を見つけ出し、検証を重ね、解決策を見出します。
今後はAGF®だけの研究開発にとどまらず、味の素グループで連携して、クリーミングパウダーの知見を広げ、お客様に喜んでいただけるような「ミルク風味」の実現を目指したいと考えています。