コーヒー大事典

コーヒー豆の種類や特徴から、収穫・加工・ブレンド・焙煎の方法まで、コーヒー豆がレギュラーコーヒーやインスタントコーヒーなどの製品になるまでの、一連の流れをご紹介します。

コーヒー豆AtoZコーヒーの選定

輸出を待つ精選された豆

良質な豆だけを選んでいきます

自然乾燥法や水洗処理法を経て取り出した生豆(なままめ)は、各国の選別基準で選定され、各コーヒーの規格に合わせてグレーディングされます。

選定基準は、大きく、生豆の大きさ、生豆の比重、生豆の色の3つ。

まずは、精選を終えた生豆を、工場でふるいにかけ、同じサイズの生豆に分別します。次に分別した生豆の中から、大きさの割に軽い生豆や、一部が欠けている生豆、さらに小枝や金属片などの異物を除去。しっかりと中身の詰まった重い生豆だけを選別します。最後のチェック項目が生豆の色。通常、このような処理を経た生豆は、適切に処理されていれば、淡い緑色をしています。ところが、処理中に発酵してしまった生豆は茶色や黒色に変色してしまいます。また、コーヒーチェリーとして収穫する際に、しっかりと完熟していない、青い実の状態で収穫されてしまった実から取り出された生豆は、濃い緑色になります。生豆の大きさや比重のチェックを通過した生豆を、最後に色彩でチェックし、状態の悪い生豆を取り除くことで、美味しいコーヒーが作られるのです。最後の生豆の色の選定については、最近では電子選別機という機械が活用されています。この電子選別機は、処理の終わった生豆の色を一粒一粒センサーでチェックし、正常でない色の生豆を自動的に除去します。また、最高級のコーヒーでは、人間が一粒一粒、生豆を目視でチェックするハンドピックという手法が取られることもあります。

こうして選別された生豆は、麻袋に詰められたり、直接コンテナに収められて、生産国から、日本をはじめとする輸入国へと運ばれてくるのです。