「おいしさの科学」を追究する4つの部門

「おいしさの科学」とは、一言でいうと、お客様の“おいしい”理由を科学的な手法で
解明・見える化し、より“おいしい”製品を正確に、安定的に、ご提供することです。
AGF®の研究開発では、その工程を大きく、「製品開発」「素材開発」「分析・評価」「包材開発」の
4つの部門にわけ、各部門が連携しながら研究開発を進めています。

1.お客様の好みを知る

まずは、お客様が求めている“おいしい”を徹底的に知ることから始まります。

AGF®の製品開発は、お客様の好みやニーズを知ることから始まります。
味の好みは人それぞれではありますが、様々な調査を通じて、より多くの方に“おいしい”と感じていただける味の傾向、というものが分かってきます。
その調査方法の1つがお客様の嗜好テスト。お客様に味の傾向を少しずつ変えた製品を飲んでいただき、好きな味か嫌いな味か、一番嫌いな味の1点から一番好きな味の9点までの点数をつけてもらいます。
これによって、どういった傾向のある味がより好まれるのかを知ることが出来ます。
お客様の求めるおいしさというのは、時代によって変化していきますので、AGF®では、定期的にこの調査をおこなっていくことで、時代の求める“おいしさ”を常に追究しています。

嗜好テストでお客様の求めるおいしさを知ることができます

おいしさの数値化
お客様が好き嫌いの度合いを1~9点で評価

主な部門

商品開発部門
分析・評価部門

2.味の指標を明らかにする

お客様が“おいしい”と感じる味を正確につかむため、構成している味や香りを詳細に割り出します。

私たちは日頃あまり意識していませんが、一口に味といっても、多くの味や香りの強さや特徴(風味といいます。)によって構成されています。
その細かい風味を、専門の評価員が、たとえばソムリエがワインの味に含まれる風味を様々な言葉で表現するように言語化、それぞれの強度を数値化することで、味の指標とします。
これらの作業を「官能評価」といいます。この官能評価で、客観的にお客様が“おいしい”と感じる理由を製品ごとにひも解いていくことができるのです。
たとえば、コーヒーの味の評価においてききわける風味は、30項目以上。トレーニングを受けた専門評価員が複数でこの作業を行うことによって、より客観的な指標づくりを目指します。

専門の評価員による官能評価テスト

専門の評価員が味や香りの特徴を点数化

主な部門

商品開発部門
分析・評価部門

常に客観的な評価をトレーニング AGF®の専門評価員

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AGF®の研究開発に携わるスタッフは、皆、おいしさの客観的な評価ができるように、社内の認定資格の専門評価員となっています。

たとえばコーヒーでは、豆の種類や焙煎をはじめとする様々な条件下で変化する、細かな味や香りの風味を正確に評価、数値化できるようにトレーニングしています。
実務の中で、常にトレーニングを続けることで、評価能力をキープしていきます。

3.お客様の“おいしい”の傾向を探る

お客様の“おいしい”理由に、どのような味や香りの特徴があるのか、客観的に見極めます。

お客様の好みと、専門評価員が明らかにした味や香り(風味)の指標とを合わせ分析していくことで、より多くの方がおいしいと感じるために重要な要素が見えてきます。
この風味が強いとおいしいと感じやすい、この風味はあまり強くないほうがいい、というようなお客様の“おいしい”につながる風味の特徴を統計的な手法を使って明らかにしていくのです。

たとえば、「甘味」を例にして、お話ししましょう。人は生きていくために必要なエネルギー源として、甘いものを好むようにできています。ある一定の範囲では「甘味」強いものの方がおいしいと感じます。
つまり、「甘味」は、おいしさの重要な風味といえるのです。

統計的においしさスコアがあがる風味を見極める

主な部門

商品開発部門
分析・評価部門

4.おいしさの根拠を特定(発見)する

おいしさに重要な味や香りを作りだす成分を、科学的に見つけ出します。

おいしさと関係の深い重要な味や香り(風味)の特徴が明らかになったところで、その特徴がどのような化学成分によってもたらされているかを調べます。

コーヒーには、1000種類以上の香り成分や100種類以上の味成分が含まれています。まずこれらの成分を、機器を用いて徹底的に分析、測定します。そして、この中でどの成分がおいしさと関係の深い重要な風味に影響を及ぼしているのかを、統計の力を使って見つけ出します。
つまり、この重要な成分が明らかにできると、安定しておいしさと関係の深い重要な風味をつくりだすことができるようになるのです。

ここでも「甘味」を例にとってお話しましょう。
「甘味」の強さと連動している化学成分は、多くの場合砂糖などの糖分や甘味料です。つまり、糖分や甘味料が重要な成分。これらを多く配合すると、甘味が強くなり、その結果お客様がおいしいと感じる点数が上がるというわけです。

化学成分の分析

主な部門

分析・評価部門

5.おいしさを実現する

科学的に解明したおいしさの根拠をもとに、成分を調整し技術開発を行います。

おいしさの根拠となる成分がわかったら、「配合技術」「焙煎技術」「抽出技術」「アロマ技術・カプセル化技術」「造粒技術」など様々な方法でおいしさを実現し、商品に展開していきます。

たとえば、「ブレンディ®」スティック カフェオレ・カロリーハーフがカロリー半分にも関わらず、カフェオレと同じようにおいしく、お客様に支持されています。それは、「おいしさの科学」によって見つけた「重要な成分」の配合をカフェオレと同じレベルに保っているからなのです。まさに、「カフェオレのおいしさそのままに、カロリー半分」といえるでしょう。

また、「ブレンディ®カフェラトリー®」スティックのティーシリーズは、AGF®独自の「フレッシュフルーツアロマ」技術による、搾りたての新鮮な果汁感を実現しました。その秘密は、フレッシュ・フルーツ・エンハンサー(FFE)。果物を搾ったときに揮発する成分で、熱に弱く、揮発しやすいのが特徴です。このFFEをデキストリンというでんぷん由来の糖質に閉じ込めてカプセル化。湯や水に溶かすとカプセルが壊れ、中からFFEが出てくる仕組みで、ふわりと広がるフレッシュな香りとお茶の豊かな味わいが楽しめます。

重要な成分をブレンド。その配合を増減し、「おいしさ」アップ

重要な成分の配合を、製造工程条件の調整によって増減し、「おいしさ」アップ

天然果汁を使用した新感覚のフルーツティー「ブレンディ®カフェラトリー®」スティックのティーシリーズ

主な部門

商品開発部門
製品開発部門

鋭い味覚と豊かな知識 コーヒー鑑定士

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世界共通のコーヒーに関するプロフェッショナルな資格があります。その1つがブラジル、サントス市商工会議所が認定するコーヒー鑑定士(クラシフィカドール)です。AGF®の研究開発部門には、現在4名います。
その資格を得るためには、英語とポルトガル語によるサントス現地でコーヒーの知識を深めるための勉強が必須なのだとか。
コーヒー鑑定士の鋭い味覚と豊かな知識が、おいしい製品を実現するための豆の選定や焙煎方法の決定にひと役買っているのです。

6.おいしさを守り、進化し続ける

実現したおいしさを、そのままお手元まで確実にお届けできる包材を開発します。

たとえばコーヒーは、とてもデリケート。
酸素や光で劣化したり、呼吸できずガスが溜まったりすることで、味や香りに大きく影響が出てしまいます。
製品がお客様のお手元に届き、召し上がっていただくまで、おいしさを守らなければ、おいしい製品を開発したことにはなりません。
製品の形態や特徴にあわせ、最適な包材を開発しています。

今後、味や香りだけでなく、微妙な食感や製品の見た目、音など人間の五感と「おいしさ」の関係を明らかにしていきます。

AGF®の「おいしさの科学」は、これからもますます進化し続けます。

製品の形態や特徴にあわせ、最適な包材を

主な部門

製品開発部門