コーヒー大事典

世界と日本のコーヒー豆事情

私たち日本人にとって、いまや身近な存在のコーヒーですが、一番飲まれているのはどこの国なのでしょう?
世界のコーヒー生産量や消費量、日本の輸入量などの観点から、世界のコーヒー豆事情を調べてみました。

世界の生産量

現在コーヒーは世界60カ国以上で生産されています。その中で、もっともコーヒーの生産量が多いのがブラジル。世界のコーヒー生産量全体の約3割を占めています。また、2位以下を見ると

2位:ベトナム
3位:コロンビア
4位:インドネシア
5位:エチオピア

となっています。

注目したいのは、近年、アジア圏でのコーヒー豆生産が盛んになっていること。上のランキングでも、2位にベトナムが入っており、170万トンほどの生産が行われています。また、ランク外ですがラオスや中国、フィリピンでも生産が行われており、アジア圏全体で見ると、世界のコーヒー豆生産量の3割近くが作られています。また、年々その生産量は増加中。コーヒー生産のアジア化の流れはまだまだ続きそうです。

世界の国別コーヒー生産量

日本の輸入量

コーヒー豆をほぼ輸入に頼っている日本ですが、その輸入元となっているのは、どの国でしょうか。

現在、日本では47の国からコーヒー豆を輸入しています。
国別の内訳を見てみると、2019年度の財務省の調べでは、ブラジル、ベトナム、コロンビアの3カ国が、コーヒー輸入量全体の69.8%を占めています。ちょうど、コーヒー豆生産量トップ3と同じ3カ国が、日本へのコーヒー輸入量についても上位を占めていることになりますね。

ブラジルは、言わずと知れたコーヒーの一大生産地。南アメリカ大陸最大の経済大国であり、コーヒーの育成に求められる、厳しい生育環境の条件を全てクリアする、文字通りの「選ばれた地」。ブラジルのコーヒー農園で収穫される上質なコーヒーは、世界中の愛好家から愛されています。

また、3位のコロンビアで収穫されるコーヒーは、その甘くまろやかな香りで、日本でも人気の銘柄となっています。

また、トップ3には入らないものの注目したいのが、輸入量6位の「グアテマラ」。じつは、生産量で見るとグアテマラは世界10位。しかし、その甘い香りと豊潤な風味で多くの日本人から愛され、6番目に多い輸入量となっているようです。

日本のコーヒー生豆の国別輸入量

世界の消費量

次に、「世界でどこの国の人が、もっともコーヒーを飲んでいるのか」を見てみましょう。

下に掲載したのは、コーヒーの国別消費量のグラフです。
もっとも大きな割合となっているのがEU(European Union=欧州連合)です。全体の27%を占めていますが、この中には日本より消費量の多いドイツや、日本より若干消費量の少ないフランス、イタリアを含んでいます。

そして、私たち日本は、2位のアメリカ、3位のブラジルに続く第4位。世界のコーヒー消費量のうち、約5%は日本で消費されていることになります。 EU、アメリカ、ブラジルのいずれの人口も、日本よりも大幅に多いことを考えると、日本人がコーヒー好きと言うことができるかもしれません。

世界の国別コーヒー消費量

世界の一人当たりコーヒー消費量

さいごに、「一人あたりのコーヒー消費量がもっとも多い国」を見てみましょう。

下に掲載した「世界の国別一人当たりコーヒー消費量(輸入国)」グラフを見る前に、ぜひ予想してみてください。
カフェがたくさんあるフランスは、コーヒーを愛飲する人が多そうなイメージがありますね。また、エスプレッソ発祥の地であるイタリアも愛好家が多そうです。

しかし、下に掲載したグラフをみると、1位はなんと北欧のノルウェー! 
数字で見ると、ノルウェー人は一人あたり、日本人の約3倍のコーヒーを飲んでいる計算になります。続く2位はスイス。3位には、国別消費量で1位だったEU(欧州連合)がランクインしました。EUの数字は加盟する28カ国(調査当時)の合算で、人口も多いため、国全体の消費量では上位となりましたが、一人当たりの消費量では順位が落ちたと考えられます。

国別消費量では3位にランクインしていたブラジルは、輸出国の中では1位となっています。

世界の国別一人当たりコーヒー消費量(輸入国別) 世界の国別一人当たりコーヒー消費量(輸出国別)