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AGF®で働く人たち

社員一人ひとりがいきいきと働ける職場づくりへ!
味の素AGF株式会社が考える健康経営への取り組み

執筆:2023年12月

読了目安:約10分

~「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)~ホワイト500」に認定~

「社員一人ひとりが健康でいきいきと働ける職場環境であってこそ、お客様の健康、そして広く社会においしさと楽しさをお届けすることができる」。そうした考えのもと、味の素AGF株式会社(以下、AGF)は経済産業省と日本健康会議が毎年選定する「健康経営優良法人」認定に向けた取り組みを続けています。その結果、「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」において上位500法人に冠せられる「ホワイト500」に認定されました。

ベテラン社員の発案が発端だった
国が進める健康経営への取り組み

経済産業省は健康長寿社会の実現に向けた取組の1つとして、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる「健康経営」を推進しています。その一環として、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業などを「見える化」するため「健康優良法人」認定制度を毎年実施。AGFでは2020年よりこの認定制度へのチャレンジを続けています。これまで「健康優良法人」へのチャレンジを主導してきたのは、現在、人事部人事グループに所属する中村さんです。

人事部 中村さん

中村さんはAGFに入社後、研究員としてインスタントコーヒー、スティック製品、コーヒー豆マンノオリゴ糖などの研究開発と人事部、品質保証環境部等で働いた後、出身地に近いAGF鈴鹿の管理部専任部長に就任。「健康経営」との出会いはその時でした。

中村さん:

AGF鈴鹿(株)に赴任してまず気づいたのは、社員の健康に対する経営サイドの意識の高さでした。常駐の保健師と連携した社員の健康相談などを積極的に実施しており、工場内完全禁煙の取り組みも早かったと思います。私はそうした企業風土を背景に、2020年にこれまでの鈴鹿での健康経営の取り組みの集大成のつもりでAGF鈴鹿(株)単独の「健康経営優良法人」に挑戦しました。保健師と連携した社員の健康管理や禁煙推進などを積極的に進めていましたから、十分いけると考えていたのですが、結果は認定されず……。完全に私たちの初歩的ミスで、認定されるためには必須事項である社内外への周知やコミットメントの訴求を怠ってしまったからでした。悔やんでも悔やみきれません。

翌2021年、中村さんは本社人事部に復帰して社内の制度改革の業務を担当することになりました。

中村さん:

前年の口惜しさと反省を踏まえて、今度は味の素AGF本社と製造拠点であるAGF鈴鹿(株)、AGF関東(株)の3社合同での「健康経営優良法人」へのチャレンジを計画しました。当時の本社ではまだ「健康経営」という考え方自体、多くの社員になじみがなかったと思います。しかし、鉄は熱いうちに打て、です。新しく赴任されたばかりの人事部長に打診したところ、「いいですね。ぜひ、やりましょう!」と快諾を得ました。わが社は一度決まると、そこからは早い。2021年7月にはAGF3社合同の「健康経営優良法人」キックオフ会議が開催されました。

3社合同でアイデアを出し合い
グループ一丸の体制も

キックオフ会議ではAGFグループの中でも製造2社とAGF本社とでは、働くスタイルの相違からくる齟齬があるなど、話し合いの前に乗り越えるべき課題もありました。中村さんは「社員が元気で健康に働く意義」を各社に熱く語って次第に「健康経営優良法人」の取り組みへの理解を得ていき、各社の社内に健康と労働環境に対する意識の変化が生まれてきます。各社ごとの取り組み、3社共通でできる健康診断内容の充実や休職者の職場復帰ケアなどについて、それぞれがアイデアを出し合いながら議論を進めていきました。

一方で2021年秋からAGFグループ社員の健康推進が「味の素健康推進センター」に一本化されるなど、味の素グループとAGFグループが歩調を合わせて健康経営に対する取り組みを進める体制が始動しました。

中村さん:

「味の素グループと一体となってAGFグループ社員の健康管理に取り組むようになったことは私たちにとってまさに追い風で、ますます手厚い健康経営施策を実施できる体制が整いました。具体的には地区ごとに配された保健師に社員が心身の健康問題について面談できる機会が増えました。本社の保健師にはメタボ対策の「糖質セミナー」の講師もやってもらい、社員から大好評だったので今後は西日本でも開催予定です。

そのほか休職者の復職プログラムも産業医の意見を重視することでより確実性を増しましたし、女性特定検診など健康診断メニューの充実、さらに工場の社員食堂でのヘルシーメニューの開発なども進みました。ちなみにヘルシーメニューは特に女性社員から好評で、従来のメニュー開発が男性中心の発想だったという気づきと反省もありました。

AGF鈴鹿(株)の社員食堂

ヘルシーメニュー

AGFの働き方改革として取り組んできた本社オフィスのフリーアドレス化や立ち会議エリアの設置による社員コミュニケーションの活性化なども「健康経営優良法人」としての重要な評価ポイントです。中村さんは「結局はそれぞれの企業で社員がいきいきと働くことができる職場環境づくり、あるいは仕事のムダを省いて生産性を向上させる経営を真摯に追求することが、健康経営の推進につながる」と実感しているそうです。

立ち会議スペース

中村さん:

2022年秋、満を持して「健康経営優良法人2022」への申請を行ったところ、AGFグループ3社が全て認定され、翌年の「健康経営優良法人2023」では、AGFは「ホワイト500」という上位グレードが冠せられました。その結果、社内からも「自分の会社が社員の健康にここまで配慮していることに安心した。ありがたい」との声が聞かれ、個人的にも大変うれしかったですね。

2017年度からAGF社員を対象に実施しているエンゲージメントサーベイによる組織診断において健康意識の指標である「健康ウェルビーイング」カテゴリーの評価は年々向上しているなど、「健康経営優良法人」の認定は社員の健康意識向上にも確実に寄与しています。中村さん自身も「これまでより健康診断結果に真摯に向き合い、ランニングなど積極的に体を動かすことを心がけるようになった」そうです。

現在では全社的な目標、管理職研修メニューなどにも「健康経営」が取り入れられ、全社的なムーブメントとして認識されるようになりました。

中村さんたち「健康経営優良法人」申請に関わるメンバーの当面の目標は「ホワイト500」を維持し、AGFグループによるシナジー効果をさらに発揮して今以上に健康経営優良法人としての順位を上げていくことです。そのためAGFグループ内での連携に加え、味の素グループである味の素㈱、味の素冷凍食品㈱とも「健康経営」について活発に意見交換を行ってきました。

中村さん:

「健康経営優良法人」に挑戦しているすべての会社が努力しているので、毎年同じことをやっているだけでは順位は上がりません。社会の健康ニーズを敏感にキャッチアップしてより良い施策を次々に投入していく必要があります。その結果、社員一人ひとりがワークライフバランスを十分実感できる会社にしていきたい。そして ゆくゆくはサプライヤーなど社外のビジネスパートナーにも健康経営の輪を広げていきたいと考えています。

来年度以降も「健康経営優良法人」チームは、広い視野から、社員一人ひとりがコミットできるより進化した健康経営の形を模索し続けていきます。

  • 組織名や所属、肩書、業務内容、商品情報等を含むすべての記載内容は、各取材及び執筆時点のものです。

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